2020年のボカロ界隈はオワコンと化してしまうのか【ボーカロイド】
もうこの曲も三年前かぁ……
wowakaさんが亡くなってから今日で1年。
『ワールズエンド・ダンスホール』『ローリンガール』『裏表ラバーズ』、全て彼の作品です。
悲しみが癒えない方も未だ多いですが、wowakaさんの名曲は生き残っています。
聴き続けましょう。
某漫画での名言でもありますが、『人は忘れられた時に死ぬ』んだと、自分は思います。
さて、今でも1日に100個以上もの曲が投稿されているとされている「ボカロ界隈」。
一番有名なボーカルはかの「初音ミク」ですが、そんなミクさん10周年アニバーサリーに投稿されたのが『砂の惑星』でした。
作曲は「ハチ」さん。別名義は米津玄師。
もう言うまでもないですが、日本を代表するシンガーソングライターです。
そんなハチさんの『砂の惑星』は当時物議を醸しましたよね。
歌詞がまるで、ボカロ界隈の過疎化を嘆くような内容だったからです。
本人は多くを語りませんでしたが、あの曲から3年経った今、浮かんでくるのは「結局ボカロってオワコンなの?」という事実問題です。
ということで今回は、『砂の惑星』が投稿されてから今に至るまでのボカロ界隈に対し素人目線で感じたことをまとめた上で、その問題にアンサーを出したいと思います。
2017年(砂の惑星投稿時)
一言で言うと、大盛り上がりだったと思います。
そもそもの話、ハチさん復活前に2013年頃から姿を消していた「kemu」さんが復活したんです。
そこで一度界隈から身を引いた方もニコニコに戻ってきて、「あれ、俺らがいない間にこんな良い曲沢山出てたんだ」現象が起きます。
前年の2016年は新しい傾向のヒット作が連発しましたから、なおさらです。
いわば、また盛り上がりつつあったんですよね。
そこに突如として現れたハチさん。爆弾を投下していきました。
その爆弾は効果抜群、更なる「ボカロの広がり」を生みました。
というのも、その後wowakaさんだったり、じんさんだったりと、俗に言う「大御所」が続々と帰還しました。
皆さんが懐かしい顔ぶれで、当の本人たちは同窓会気分だったんじゃないでしょうか。
つまるところ、皮肉にも『砂の惑星』が投稿された2017年はボカロ史上でも有数の盛り上がりだったということです。
2018年
個人的に、ここがターニングポイントだったのではないかと思います。
というのも、2016年そのオサレ感が若者の間で人気となった「シャルル」にて一躍名を上げた「バルーン」さんが、別名義の方で本格的に活動を始めます。
もっともっとバルーンさんのボカロ曲を聴きたい!というファンの思いとは裏腹に、バルーンさんはめっきりボカロ曲の投稿をやめてしまったわけです。
そんな中投稿されたのが、「みきとP」による『ロキ』。
キャッチ―ながらに、リンちゃんのしゃがれ声には斬新なギャップがあり、まさに「ボカロック」と言えるこの曲は瞬く間にヒットしました。
このヒットは大変喜ばしいことであり、「ボカロに新しい風が吹いた」感がありました。
バルーンさんがいなくなってしまったのは残念だけれど、まだまだボカロは死んでないぞ!と、そんな活気を感じさせてくれたと思います。
ただ、『ロキ』が投稿されたのは2月のこと。
再生回数はそれこそノンストップで増え続けましたが、それ以降『ロキ』に並ぶヒット作がなかなか出てこない現状も続きました。
コンスタントに人気の曲は生まれましたが、それらは正直今までのボカロ曲と比べて盛り上がりの小さなものでした。
その原因は何なのか。
ズバリ考えると、やはり「バルーン現象」ではないでしょうか。
先ほども述べた、「ボカロP本人の歌唱デビュー」。
元々自分のボカロ曲をセルフカバーする方は多かったですが、今度はセルフカバーでなく本人のみが歌う、すなわち「何もボカロが関与していない曲」。
バルーンさんのみならず、「有機酸」さんも別名義で活動を本格化させ、『ウミユリ海底譚』でおなじみの「ナブナ」さんは本人歌唱ではないですがバンド「ヨルシカ」の方に力を入れ始めました。
米津さんも勿論例外ではないのですが、本人のメジャーデビューは随分前のこと。
この2018年は、「ボカロPのボカロ離れ」が特に顕著な年だったと思います。
「orangestar」さんの活動休止(2017年に発表)や、「ナユタン星人」さんがあまり曲を出さなくなったのも印象的です。
『ロキ』で明るく灯った「火」が、「炎」になれなかった。
2018年は、個人的にジレンマを抱えた年です。
加えて何度も言うようですが、ここがターニングポイントではないかと思います。
続けましょう。
2019年
先ほど「火」と表現しましたが、その火は2019年に入る頃には殆ど鎮火していました。
ボカロファンは新たなヒット曲を心待ちにしている状態です。
でも、肝心のボカロPがいない。
2017年にボカロ界隈に戻ってきた方たちも、段々気付いてきたはずです。
「やっぱり、ボカロは終わったんだ」
そして段々、ニコニコのプレミアム会員を退会する人は増えていきます。
これはデータ上明らかになっていたはずですが、出典が分かりませんでした。許してください。
コンスタントに曲の投稿を続けるボカロ界のレジェンド「DECO*27」さんがかろうじて『乙女解剖』をヒットさせましたが、それに並ぶ曲はなかなか誕生せず。
どんどんとボカロの市場規模が収縮していく感覚を、日に日に感じていました。
優秀な作り手が消えてしまえば、その作り手を応援するファンが離れていくのも当然のことです。
そんな陰鬱な雰囲気が界隈全体に漂っていたのか、2019年はダークなイメージの曲が非常に多かった印象を受けます。
総評(アンサー)
記事を書いているうちに自分も何だか暗い気分になってしまいましたが、冒頭で話した「ボカロはオワコンなの?」という問いに自分なりの答えを出したいと思います。
オワコンに、なりかけてます。
これに尽きますね。
2017年に起きたボカロショックの余波がまだわずかに残っている、という所感です。
勿論作り手の数が大きく減ったというデータはありませんし、ニコニコのボーカロイドカテゴリを覗けば魅力的な曲が沢山溢れているのも事実です。
ですから、今ボカロ界隈に求められているのは「新たなスターの発掘」ではないでしょうか。
宗教の概念に似ていますが、「偉大な教祖」がいれば多くの民衆は「盲目な教徒」と化します。
この例は非常に劣悪な例え方だと思いますが、自分含め今のボカロファンは盲目になるほどボカロにハマっていますか?惰性で聴いていないですか?
本当に良い曲に巡り合うためには、探すしかありません。
まだそこに眠る原石を掘り起こすことで、ボーカロイドという界隈がまた大いに盛り上がることを期待しています。
以上、超主観的ボカロ論でした。
今回も読んでいただきありがとうございました。
これからもアニメや漫画、ボーカロイドに関する情報を発信していくのでよろしくどうぞ。
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